【国なのに、領土がない?】マルタ騎士団という異質な国家
⇧カッコいい騎士の個人的なイメージ(笑)
国と言えば、領土や国民があって成り立つものですよね。
以前紹介した、バチカン市国も国土は世界一小さいですが、ちゃんと領土と国民がいます。
ただ、マルタ騎士団国に関しては、国でありながら領土がないという特殊な国家です。
では!マルタ騎士団が領土がないのに、国と言えるのかについて話していきます。
まずマルタ騎士団って、何をしていた組織なのか
⇧マルタ騎士団国の国旗
正式名称は、『ロードス及びマルタにおけるエルサレムの聖ヨハネ病院独立騎士修道会』と言います(名前、長すぎ)。
正式な名前を見てなんとなく分かるとは思いますが、
マルタ騎士団の起源は、エルサレム周辺のキリスト教巡礼者向けの宿舎や病院を運営していた修道会です。
そして、十字軍が遠征する前には、その遠征地がキリスト教徒の巡礼道であったので
道を護衛をするという名のもと、騎士としての活動をするようになったそうです。
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その後、 ローマ法王から聖ヨハネ騎士団として公認を受け、キプロス島やロードス島などで拠点を作っていましたが、
オスマン帝国やナポレオンのせいで流浪の騎士団となり、領土を失うことになりました。
政府の役割をする本部が、ローマにある
領土を持たないマルタ騎士団ですが、
イタリアのローマの一等地に本部を構えていて、しかもイタリアから治外法権を認められているので、許可がなければ敷地内に立ち入ることはできないです。
本部の面積は、たった12000平方メートル。
ただ、世界の約104か国と外交関係を持っていて、大使館やパスポートの使用や独自の硬貨&切手、そして国連のオブザーバー (⇦加盟国、もしくは非加盟国でもない) として参加している国でもあります。
独自の硬貨や切手を発行している観点からマルタ騎士団は『国家』として機能していると言われています。
ただ日本は、国として承認していない
2016年現在、日本はマルタ騎士団を国としては承認していません。
国として承認している国の多くは、キリスト教文化圏の国が多いです。
代表例を言うなら、イギリスやイタリア、スペインなど。
かつては領土があった国なので、国家として承認している国々があるという感じです。
まぁ、一万人にもなると言われるマルタ騎士団の会員による寄付で、
医療や人道支援をおこなっていたり、色々な経緯で領土を失っている国なので
個人的に、日本は国交を持っても良いのではないかとは思います。
今回はここまで、またの機会があれば。
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